2 解雇,雇止めが無効になる場合

『解雇』は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合には,その権利を濫用したものとして無効とされます(労働契約法第16条。解雇権濫用法理)。
わかりやすく表現すると,正当な理由がなければ解雇はできない,ということです。
些細なミスを理由にした解雇,ほんの一時期の成績不良を理由とした解雇などは,合理的な理由を欠くものとして無効となる可能性があります。

『雇止め』はどうかと言うと,例えば,短期のプロジェクトのために雇われた場合であるとか,休業に入った社員の代替要員として期間を区切って雇われた場合などは,期間の満了により契約終了となることもやむを得ないでしょう。

しかし,有期契約が繰り返し更新され,実質的には期間の定めのない契約と違いがない状態になった場合や,採用の経緯・使用者の発言などから,雇用の継続について労働者に合理的な期待があると言える場合には,以前から解雇権濫用法理が類推適用されていました(「雇止め法理」)。
つまり,解雇と同じように,合理的な理由がなければ雇止めは許されないということになります。平成24年に労働契約法が改正され,この「雇止め法理」が条文化されました(労働契約法第19条)。

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