〔lawyer’ blog〕✍ “ぽえむ”のこと

ふるさと納税の返礼品,くめざくら大山ブルワリーの「大山Gビール」が届きました。住んでいる自治体から住民税が逃げてしまう“ふるさと納税”ってどうなんだろうと考えていて,昨年までは利用したことはありませんでした。でも,年末,怒涛のように流されたテレビCMに見事に影響され,ついに手を出すことに(情けない…)。せめて所縁のあるところに寄付をしようと,大学卒業後,2年間住んだことがある松江市を第1候補にしたのですが,私が使ったサイトには松江市の返礼品がみあたらず,仕方なく,当時よく遊びに出かけた隣の米子市の返礼品を選びました(正確には間に島根県安来市が挟まります)。ピルスナー,ペールエール,ヴァイツェン,スタウトの4種類がそれぞれ4本ずつ。いや,楽しい。ふるさと納税っていいですね(苦笑)。

米子市からは,この返礼品とは別に,温泉施設の入浴券やら米子高島屋の優待券やらが入った“ゆうパック”が送られてきました。米子に行かないと役に立たないじゃんとその時は横にほおったのですが,ヴァイツェンを飲み進めるうち,何だか当時のことが懐かしくなり,今年のGWの旅行は山陰にしようかなどと妄想し始めました。

行ってみたい場所で真っ先に浮かんだのは『ぽえむ』。会社の同期のT君に連れられてよく行ったジャズバーです。クリフォード・ブラウン好き(リー・モーガンだったかな?)の愛想がよいとはちょっと言えない,でも本当にジャズを愛するマスターが一人でやっていた店でした。この店を訪ねたのはいつも日付が変わってから。客が帰った後で,店の中はからっぽということも多かった。シャッターを閉めて家に帰ろうとしているマスターを,Tが拝み倒し,店を開けさせて鍋を作って食べさせてもらったなんてこともあったっけ。そんなことを思い出しながら,松江,『ぽえむ』,jazzでネットでググってみたところ,そのマスターが2年前に亡くなっていたことを知りました。

『ぽえむ』は,地元の人たちに愛されて,2015年,マスターが亡くなった時まで続いていたようです。私が松江にいた当時は,確か,大橋川の北詰め,東本町の雑居ビルの2階に店はあったのですが,その後,大橋川の南詰め,白潟本町に移転したのだそうです。前の店には窓などありませんでしたが,白潟の店には大橋川を臨む側に広い窓があり,水の都の夕景,夜景を楽しむことができたようです。ライブができるスペースもあって,その様子を撮影した動画もyoutubeにアップされていました。マスター,きっと幸せだったのだろうな。

『ぽえむ』があった場所は,有志によってライブスペースとして維持されてきたようですが,そこもこの3月に取り壊しが始まるのだそうです。20年振りに松江を訪ねることができたとしても,そこには『ぽえむ』はありません。ネットではまだお店のアメブロを見ることができるのに…。さて,今年のGW,どうしたものか。