〔lawyer’ blog〕✍ サラメシ その3

火曜日,担当している国選の刑事事件の公判のため,久しぶりに越谷の裁判所(さいたま地裁越谷支部)に行ってきました。国選の刑事事件は,基本的には,事務所所在地を管轄している裁判所の案件だけが配点されます。私の場合,事務所は川口にあるので,普通は,さいたま地方裁判所本庁(浦和)の事件か,川口簡易裁判所の事件を担当することになります。ただ,浦和西警察署の裏にある埼玉県警察本部の留置センターには,本庁管轄外の警察が捜査を進めている事件の被疑者が身柄拘束されているということがたまにあり,こうした被疑者の国選弁護を被疑者段階から担当し,そして公判請求(起訴)されてしまうと,本庁以外の裁判所まで出かけて行かなければならなくなるのです。

越谷支部で国選の刑事事件を担当するのは弁護士22年目にして2度目のこと。渋滞にはまってしまってはいけないと少し早めに事務所を出たところ,法廷ではまだ前の事件の判決言い渡しが始まったところでした。万引きを何度も繰り返してしまっているお婆さんの窃盗事案。過去に何度も執行猶予の付いた判決を受けていて,今回も前回の判決の執行猶予期間がまだ切れていないのに400円余りの商品を万引きをしてしまったという事案のようでした。弁護人は認知症などによる刑事責任能力の減退を理由にして“再度の執行猶予”を求めていたようです。似た事案を今担当しているため,裁判所がどのような判断を示すのか興味を持って聞いていたのですが,裁判官は,前回の裁判の後,専門医の治療を受ける機会があったのに,本人も家族もその機会を活かしていなかったと強く非難し,刑の一部の執行猶予は認めつつも,実刑を言い渡していました。この被告に真に必要なのは“刑罰”なのか,それとも“治療”なのか,なかなか悩ましい…。

担当の事件を終えた帰りに立ち寄った某駅のすぐ前にある居酒屋の焼き魚定食。サバ,紅鮭もあったのですが,銀ダラをチョイスしました。セリのお浸し,里芋・人参の煮物,そして,(写真を撮る時に蓋を開けるのを忘れてしまいましたが)ナメコとお豆腐のお味噌汁付き。これで900円也。味とボリュームを考えると文句のつけようがありません! 和定食,特に焼き魚の定食が美味しいお店にはなかなか巡り合えないので,このお店は私にとってはとても貴重な存在。もう15年以上も通っています。余り大きな声では言えませんが,越谷支部で裁判がある時は,このお店でお昼を食べるため,なるべく昼前後に期日を入れるようにしています(笑)。