〔lawyer’ blog〕✍ 台風19号の被害 -福島県本宮市-

仕事で福島県本宮市に行く機会がありました。台風19号の影響による豪雨で,阿武隈川,その支流の安達太良川がともに氾濫して市の中心部が冠水し,7名が亡くなるという甚大な浸水被害があった地域です。私が本宮を訪れたのは浸水被害から1週間後のこと。すでに水は引いていましたが,通りの両側にはガレキや浸水した家の中から運び出された家財が山積みになっていました。消毒のための消石灰が大量に撒かれ,また,氾濫で街に流れ込んだ大量の土砂が乾いて飛散しているため,街の中は霞がかかったよう。マスクをしていないと粉じんを吸い込んでしまいそうでした。本宮駅のすぐ近くにある蔵元「水天狗酒造」でも約50cmの浸水があり,酒米や工場設備が水没してしまったそうです。街の復旧にはまだまだ時間がかかりそうでした。

この地域は昭和61年にも大洪水に見舞われています。堤防の嵩上げ等の対策は行われていたらしいのですが,今回の台風19号による洪水は,61年洪水の規模を遥かに上回るものになったのだとのこと。台風19号による降水量は,河川整備の基準となる“計画降雨”を超えたところもいくつかあったようです。大規模なダムの建設に巨費を投じるより,住宅密集地を流れる河川の築堤,堤防嵩上げといった治水対策にもっと力を入れる必要があると感じた今回の台風19号の被害でした。