〔lawyer’ blog〕✍ 東京タワーの夜景

東京タワー

日比谷通りから東京プリンスホテル越しに見た東京タワーの夜景です。先週,担当している不当労働行為事件(会社と労働組合との間の紛争)の調査期日が中央労働委員会であったのですが,それを終えて中労委の建物から外に出てみると,ライトアップされた東京タワーが視界に飛び込んできました。午後5時過ぎでこんな感じですから,ずいぶんと日が短くなりました。

どんな紛争も解決までこぎ着けるのは大変ですが,労使紛争,特に労働組合が会社から攻撃を受け,その救済を求める不当労働行為事件はやっかいです。「人事」や「業務指示」を口実にパワハラまがいの行為が執拗に繰り返されたり,管理職に組合員の行動を事実上“監視”させたり,まるで小・中学校での“いじめ”ではないかと思うような陰湿な攻撃が行われることも珍しくありません。従業員の過半数を組織するような労働組合であれば力で経営者に対抗することもできますが,少数組合の場合には労働委員会のような外部機関に救済を求めるしかありません。しかし,“陰湿な攻撃”を明らかにする作業は簡単なことではなく,労働委員会の審理は裁判以上に時間がかかってしまうこともあります。その間に紛争が泥沼化して,多くの離脱者が出てしまうということもときには起きます。県労委を経て中労委に事件がかかるということは,紛争が起きてからすでに数年が経過しているということにもなるわけで,そこに足を運ぶということは,代理人を務める弁護士にとっても正直シンドイところがあります。この日の事件も紛争が起きてからすでに3年半が経過。どういう解決があり得るのか,この段階で何をすべきか,なかなか悩ましい‥。

The Crescent

と,東京タワーから通りの反対側に視線を転じると古い洋館が目に入ります。「The Crescent」(ザ・クレッセント)。昼間はあまり目立たないのですが,灯りが燈るととてもいい雰囲気です。改めて調べてみると,あのミシュランガイドで10年連続で星をもらっている都内でも指折りのフレンチの名店のよう。お値段もそれなりなので,よほどのことがないと縁はないよなぁと呟きながら増上寺前を左に折れ,大門をくぐって浜松町の駅に向かうと,右手に「秋田屋」さんの建物が。こちらはいつも通りサラリーマンで溢れていました。昭和4年創業の“やきとん”のお店。吉田類の「酒場放浪記」でも紹介されたこちらも居酒屋の“名店”です。

まぁ,労働争議が解決したあとの打ち上げに“高級フレンチ”というのはさすがにちょっと合いません。やはりこちらで“もつ焼き”と“ビール”で一杯でしょうか。(の)