〔lawyer’ blog〕✍ 久しぶりの青空…でしたが

ここ2週間,本当によく雨が降りました。そこに,日曜夜から昨日の朝にかけての台風の来襲。通勤で新荒川大橋を通るのですが,河岸の野球場,ゴルフ場が水没してしまっていて,荒川の川幅がいつもの数倍に拡がっていました。埼玉ではふじみ野などで床上浸水の被害があったようですし,多摩川でも川の増水で中州に取り残されてしまった人がいて,ヘリコプターで救出される映像がテレビで繰り返し流れていましたね。台風のスピードがもっと遅かったら,大きな水害が起きていたかもしれません。

台風が去って本当に久しぶりに青空を見ましたが,この青空を見ながら一番よい気分になっていたのは安倍首相かもしれません。定数を10名減らした総選挙で,解散前の議席数を維持したのですから完勝でしょう。3年後の東京オリンピックの開会式に再びマリオの姿になって登場する,そんなシナリオもみえてきました。

もう1つ現実味を帯びてきたのが「憲法改正」です。自公の政権与党が獲得した議席は313。衆議院の新しい定数は465ですから,憲法改正の発議に必要な3分の2,310議席を超える議席を確保したことになります。野党といっても,希望の党,維新の会は憲法改正には前向きですから,実に衆議院の議席の8割を改憲勢力が占めたことになります。都議選の惨敗で一時はスケジュールの見直しもささやかれていましたが,どうやら年明けに行われる通常国会に改憲案が提出される可能性が再び高まってきました。

安倍首相の思惑どおりに事が運び,通常国会に改憲案が提出されたとしても,その後の国会審議,衆参両議院での発議,そして国民投票までとなると1年近い時間が必要となります。つまり,来年,2018年は,1年を通して憲法改正が議論される年となるかもしれません。憲法といっても“不磨の大典”ではないので,憲法改正を議論すること自体をタブーにしてはいけないと思います。ただ,国の根幹を決める最も大切な法なのですから,国民の中で憲法改正の機運が高まらないうちに,政治家だけの都合で一気に変えられるということは絶対にあってはいけません。憲法についてじっくり考える機会を増やすことに,私も微力を尽くしていくつもりです。