先週,相続財産管理人としてもう3年以上も管理を続けているマンションの賃借人が退室したということで,物件の状態を確認しておこうと現地に行ってきました。墨田区向島にある古いマンションの一室が管理している物件。半蔵門線の押上駅近くにある不動産屋に鍵を預けているので,まず,都営浅草線の本所吾妻橋駅で降りて,浅草通りを東にこのお店に向かいました。
途中,通りの右手に幟が立ったビルの姿が目に入りました。江戸初期に創建された「春慶寺」という日蓮宗のお寺。池波正太郎の「鬼平犯科帳」の中で,鬼平の剣友,岸井左馬之助の寄宿先として何度か登場するお寺が,今では5階建てのビルに姿を変えているのでした。
不動産屋で鍵を受け取り,マンションがある向島に向かいます。地図で下調べをすると1km少々だったので徒歩でも楽勝と考えていたのですが,当日は40度近い大変な猛暑。日射しを遮る街路樹もなく,スカイツリーラインの踏切を渡ったあたりから意識が朦朧としてきました。吹き出してくる汗を拭いながら都立本所高等学校の前を通りかかると,歩道に案内板が立っています。森鴎外旧居跡の案内板。10歳の時に父とともに津和野から上京した鴎外は,東向島のこの地にあった家から東京医学校予科(現在の東大医学部)に通っていたのだそうです。
本所・向島界わい,ぶらりと散歩をするにはとても楽しそう。でも,この炎天下に3kmも歩いたのは大失敗で,翌日,体調を崩してしまいました。この暑さ,しばらく続くようです。皆さまもどうぞご自愛ください。