田中正造と足尾鉱毒事件を題材とした版画をライフワークとした版画家小口(こぐち)一郎の版画展が行われます。鉱毒で汚染された田畑を取り上げられ,北海道佐呂間町に入植した旧谷中村の村民たちの苦難を描いた版画集「鉱毒に追われて」は2013年に映画化されて話題になりました。今年は明治150年を迎えますが,明治期には富国強兵,殖産興業の陰で,多くの平民が苦役を強いられ,自然も破壊されました。日本の公害の原点とも言える足尾鉱毒事件の一部始終を版木に刻み遺した小口一郎の作品を通して近代史の光と影を考える機会にという企画です。八ッ場ダム住民訴訟を支えていただいた茨城の実行委員の方からご案内いただき,私も賛同人になっています。
埼玉からですと少々離れた場所でのイベントですが,この頃には暖かくなり,桜の季節になると思います。どうぞお出かけください。
■田中正造VS小口一郎版画展
日時:3月30日(金)~4月5日(木) 10時~18時 入場無料
会場:とりでアートギャラリーきらり
主催:取手小口一郎版画展実行委員会 資料提供:小口一郎研究会 後援:取手市・取手市教育委員会






2月3日土曜日に埼玉弁護士会主催のシンポジウムがさいたま市民会館おおみやで行われます。テーマは“表現の自由と忘れられる権利を考えるシンポジウム「インターネット社会の問題点」”です。
さいたま地裁は,2015(平成27)年6月,過去に逮捕歴のある男性が検索サイトに表示される検索結果の削除を求めた裁判で,「一度は逮捕歴を報道され社会に知られてしまった犯罪者といえども,人格権として私生活を尊重されるべき権利を有し,更生を妨げられない利益を有するのであるから,犯罪等の性質にもよるが,ある程度の期間が経過したあとは過去の犯罪を社会から『忘れられる権利』がある」として,削除を認める決定を出しました。この決定は,2016(平成28)年7月,東京高裁により取り消され,最高裁第3小法廷も,翌2017(平成29)年1月,結論としては削除を認めない決定を出しましたが,「表現の自由と比べてプライバシー保護が明らかに優越する場合は(検索結果の)削除を求められる」と最高裁としては初めての判断基準を示しています。
EUの最高裁判所にあたる欧州司法裁判所(CJEU)は,2014年4月,大手検索サイトに対し,市民の過去の個人情報へのリンクを検索結果に表示しないように命じる判決を下して注目されました。検索サイト側もこの「忘れられる権利」を尊重し,市民からの削除申請に対応するようになってきています。
他方で,民主主義社会においては,表現の自由とならんで国民の「知る権利」が国政の監視に重要な役割を担っています。インターネット社会において,個人のプライヴァシーの保護と「知る権利」の保障のバランスをどのように図っていけばよいのか,愛知大学の長峰信彦教授,平成29年最高裁決定の許可広告申立代理人を務めた神田知宏弁護士をパネリストにお迎えしてお話を聞きます。興味ある方は,ぜひご参加ください。
誠に勝手ながら,12月28日(木)から1月8日(祝)まで冬季休業とさせていただきます。1月9日(火)から通常営業となります。