〔lawyer’ blog〕✍ “ひよっこ”と音楽

 

9月になりました。朝ドラ「ひよっこ」もあと1ヶ月で終わってしまうのですね。4月に番組がスタートした時は,茨城の田舎にこんなにきれいな農家の嫁が二人もいるわけないよなどと毒づきながら見ていたのですが(茨城の農家の皆さん,すいません),いつの間にかどんどんハマってしまいました。上野駅,東京タワー,東京オリンピック,ビートルズ,植木等,グループサウンズ,ミニスカート‥。1960年代,元気だった“昭和”を思い出させてくれます。「ちゅらさん」「おひさま」もそうでしたが,岡田惠和さんが書く脚本にはあまり悪人が出てきません。みんなで励ましあって,前を向いて生きていくというストーリーは朝にぴったりです。

さよならを教えて/1967年

「ひよっこ」でもう一つ楽しみなのは音楽です。担当の宮川彬良(あきら)さんは,「シャボン玉ホリデー」でお馴染みの作曲家宮川泰さんのご子息です。あの時代を感じさせるメロディーを次々と忍ばせてきます。ほのぼのとした“家族のテーマ”,テナーサックスがむせび泣く“由香のテーマ(?)”などどれも素敵ですが,最近だと三男が働く米屋の一人娘安部米子(いや,“さおり”でしたね)が登場するシーンで流れる“君が好きーっ!”にはくすぐられました。曲調がフランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」を自然と連想させるのです。彼女の音楽は高校生のころよく聴きました。1979年にTBSで放送された山田太一脚本のドラマ「沿線地図」で,彼女のMa jeunesse fout l’camp(邦題・もう森へなんかいかない)が使われたのを覚えている方も多いかと思います。

“さおりのテーマ(?)”にくすぐられたもう1つの理由は,“君が好きーっ!”と歌っているのが太田裕美さんだということ。先日,NHK-BSの「名盤ドキュメント」で彼女の「心が風邪をひいた日」を取り上げていましたが,彼女の鼻にかかった歌声,本当に不思議な魅力を持っています。甘くて,軽やかで,少しせつなく,‥そして,ほのかに“昭和”なんですね。

「ひよっこ」,あと1ヶ月,どんな展開が待ち受けているのやら,音楽も含めて楽しみです。(の)

心が風邪をひいた日